SHERLOCK(シャーロック)S1#1「ピンク色の研究」
このシリーズの面白いところは観ながら一緒に考えられるところ。ロバート・ダウニーjrの「シャーロック・ホームズ」も作りとしては同様ですが、文字テロップが出ることでビジュアル的にもより分かりやすいのが「シャーロック」ではないかと。斬新ですよね。そしてキャラクターも非常に突飛で素晴らしい!
観ながら推理出来るのはとても楽しいです。
いつの間にか古典的な探偵の代名詞となってしまった“シャーロック・ホームズ”。しかし、元来、彼は非常に現代的な男だった。シャープで気難しく、ちょっとアブナイ男。今、シャーロックがその本来の姿で戻ってくる。自称“コンサルタント探偵”のシャーロック・ホームズと、元軍医ジョン・ワトソン。シャーロックの頭脳とジョンの現実主義が融合し、複雑な迷路のような謎をひもといていく。コナン・ドイルの原作を大胆にアレンジした「21世紀版シャーロック・ホームズ」誕生!(C)Colin Hutton(C)Hartswood Films 2010 John Rogers(C)Hartswood Films 2010
事件は謎の連続服毒自殺。
奥さんとは違う女性がいた男、土砂降りの中一時的に家へ帰った少年、悲観的な女性…どちらも行く場所ではない場所に赴き、同じ薬(毒)を服用。
以下、ストーリーネタバレ感想をダラダラ。
アフガン帰りのワトソンは戦争の後遺症に苦しむ毎日の中で、ひょんなことからルームシェアの提案を受ける。生活改善どころか新世界への扉です。
その相手ホームズの変人ぶりが早速発揮されてて素晴らしい。報道陣への一斉メールから安置所での実験に尖すぎる観察眼。些細なもが雄弁に語るにしても、それを一切見逃さないという異常性が素晴らしい。シャーロック・ホームズの魅力。
自殺四連続事件ではしゃぐホームズ。イメージでは寡黙な常識人と思っていましたがワトソンも変人だった。
凸凹コンビと言うには割れ鍋にとじ蓋という感の二人の関係。いいぞもっとやれ。
シャーロックは推理を違えると「ガルル」ってなる。ホントカワウソに似てる。
え、でも…ワトソンの兄弟のハリーってハリエット…姉ってことはビアンでございますか、諸刃ですか。これはなかなか…。
警部に呼ばれて四人目の現場へ行くと無下にされる。というかシャーロックが毛嫌いされている。多分キャラクターの中では一番俗っぽく凡人な女性警官の「変人はいりまーす」に失笑。フツーの人なのにシャーロックを通してみると嫌なやつにしか見えない。
四人目の現場には…まるで置かれたように死んでいる女性の死体。遺書というかダイイングメッセージが。「Ra che」…Roche(独:復讐という意)と思ったら違う言葉、Rachel。他にも被害者の様子として、濡れた服に乾いた傘、身に着けている宝飾品のメンテナンスの差…。
ここでもテロップが良いヒントになり、彼女がどういう存在であったかが提示されます。シャーロックの推理答え合わせの時に観ながらに考えていた私はテンションが上ります。私は80%くらいしか分からなかった。
とくにシャーロックのいう「ピンク」がミスな理由が分からなかった。
スーツケースを現場に置いて行かなかったことと、コートもマニキュアもピンクなら高確率でスーツケースもピンクですね。探すには充分な情報になりえるわけです。
シャーロックに置いて行かれたワトソンはとぼとぼ歩きますが公衆電話が鳴りまくり。こういうのを頑なに無視し続けるのもアリかとは思いますが、ワトソンの性格上しないんですね。危険への好奇心があるからですかね。
そして接触を謀ったこの男…マイクロフトか!?MI6か何かかな。
男が言うには自分はシャーロックの”敵”。ワトソンの左手が震えるのは禁断症状だという。事件というかスリルへの。危険への好奇心ですね。
ワトソンの変人っぷりも明るみに!
帰宅したワトソンはシャーロックに言われるままに容疑者へ揺さぶりをかけますが、残念ながら不発。成果としてはワトソンの脚が良くなったこととか。ある意味禁断症状を脱したというかw
帰宅すると強制家宅捜索が待っておりました。シャーロックは「せっかくいい気分だったのに」と思ったことでしょう。目の敵にされているアンダーソンの嫌われっぷりが最高です!「お前が喋るとベイカー中のIQが下がる!」
さて、容疑者は「警戒されずに知らない相手を車に連れ込み何処にでも行けて街なかで狩りができる者」
タクシーか!
思えば最初の被害者も「タクシーで来るように」と言われ、また二人目はタクシーを呼び止め、三人目は車の鍵を隠されたのでタクシーに乗らざるをえない。四人目は急な天候不良のためタクシーに…
しかし動機が全くわかりませんでした。
犯人は人畜無害そうなタクシー運転手の老人。
全く連続殺人犯に見えない。
車内は子どもの写真。家族の写真を肌身離さず持っている人は非常に家族思い(愛妻家だったり子煩悩だったり)する他に、騙されやすい一面もあるといいますが…騙されているというよりは積極的に”狩り”をしている。非常に頭のいい男性です。
話すと相手を死に追いやるという男の手口…それはどちらかに毒の入った2つの瓶を選ばせることで自殺に追いやるというもの。50%に自分の命を賭ける。
だからオープニングで被害者は不安げに見つめる仕草を見せてたのかと合点。
犯人をこの凶行に駆り立てたのは、毒の提供者から殺人の成功報酬が支払われるというシステム…彼の愛する子どもたちへ。なるほど連続殺人犯になる納得の動機。騙されていたわけでもないけれど、話に乗せられたのですね。
そしてモリアーティ教授の名が登場!意外とあっさり白状でした。犯人さんも非常に頭が冴えている人物でしたので、絶対に言わずにシャーロックをモヤらせると思っていたので。
自称「敵」はやはりマイクロフトw(職はMI6っぽいw)
肝心の毒の瓶のどっちが毒だったかについては明かされなかったので、勝手に妄想するとやっぱり両方共毒だったんじゃないかな?犯人は事前に解毒剤/中和剤を飲んでるとか。四回連続の偶然もあるかもしれないけど、そういう偶然は一種の必然だと思いますし。まあ、あくまで妄想ですが。
シャーロック、すごく面白いです。続きが楽しみ…というか観だしたら止まらなくなる作品ですね。