SHERLOCK(シャーロック)S2#3「ライヘンバッハ・ヒーロー」
原題は「The Reichenbach Fall」――原作でモリアーティ教授と格闘したというスイスのあの滝ではありませんか!でも何故この邦題?
ロバート・ダウニーJr.の「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」も大変面白かった。モリアーティとの対決といえばこの滝ですね。
兎にも角にもジムが何をしでかすのかワクワクしながら視聴。
「親友のシャーロックが死んだ」。 遡ること3か月前。シャーロックは盗まれた名画を取り戻し、世間の脚光を浴びる。その後も次々に事件を解決して、シャーロックの名声は世間に知れ渡る。そんな折、事件が起きた。英国で最も警戒が厳しい場所であるはずのロンドン塔、イングランド銀行、ペントンビル刑務所の警備システムが同時に破られ、ジム・モリアーティが故意に逮捕された。モリアーティが仕掛ける最終的な闘いとは・・・。次第に、シャーロックは追い詰められていき・・・。(C)Colin Hutton(C)Hartswood Films 2012
神妙な顔のジョンがセラピストに訴えます(S1#1以来、一年半ぶりの診察)。
「親友のシャーロックが死んだ」
冒頭、ターナーの絵画「ライヘンバッハの滝」を取り戻した功労を讃えられています。それで「ライヘンバッハ・ヒーロー」なんですね。何かいろいろもらいましたがカフスだったり、タイピンだったり、鹿撃ち帽だったりと使わないものばかり!と正直に言ってしまうシャーロック。もちろんフォローを入れるジョン。
でもイヤイヤながらも貰ったり取材に応じているシャーロックの営業スマイルは、当初と比べるとだいぶうまくなってます。ジョン(とレストレード警部)の調教の賜物でしょうか。
ただ帰宅すると鹿撃ち帽に八つ当たり。
一般人視点の忠告はシャーロックにはあまり納得出来ない。「マスコミは持ち上げた後こき下ろす」
そんな日々の中、ロンドン塔にジムが現れる。
同刻、イングランド銀行。
同刻、刑務所。
全く別の場所で事件が。ジムが何かのアプリを起動すると異変。ロンドン塔の警備システムがダウン。銀行の金庫も勝手に開閉。そして刑務所の警備システムも。
レストレード警部も何処へ向かったら良いのか分からなくなるほど。
ジムは展示物の王冠と王笏を手にデモンストレーション。素直にお縄に。宝物を手に取る前に強化ガラスのショーケースに監視カメラを意識して鏡文字のメッセージ「GET SHERLOCK」を記していた。シャーロックを捕らえろ、シャーロックを呼べ(連れて来い?)どちらにもとれる…。
シャーロックが関わるこのセンセーショナルな事件をマスコミも騒ぎ立てる。
ジムは窃盗未遂容疑で裁判に。
公判前に化粧室へ行くとシャーロックオタク(女)現れる。此処は女性が立ち入っていい場所ではありませんよ。
しかし実はジャーナリスト/キティ・ライリー。オタクに扮していたのはシャーロックを試すため。いま話題の人物のゴシップ収集中だった。一般人からも恐らく好かれないタイプの人間にシャーロックは平等に接する――自慢の観察眼でほかの人同様一刀両断。
裁判の方では、シャーロックとジム、この2人に関わると法廷がまるでゲームに。検察や弁護士が定形通りに進める質問さえシャーロックにとっては無駄なもの。よく法廷ゲームで陪審員を選定しますがシャーロックは一瞥で分かってしまう(余計なことまで)。
結局シャーロックの欠点でもある自己顕示欲が発揮され、結局法廷侮辱罪でジムと一緒に収監。何やってんだと思うと同時に、シャーロックらしい法廷。
シャーロックは訝しがる。
ジムが拘置所にわざわざとどまっているのは何かをするため。
法廷も異様な様子を呈してくる。
被告人は証拠物件や弁護などを一切提出しない。どう考えても有罪になる裁判で、陪審は無罪判決。裏で陪審員を脅していたのだ。
判決後、ジョンは「奴はお前を狙うぞ」と警告。シャーロックはお茶を用意して待つ。
ジョンが帰宅するよりも先に不躾にアパートにやってくるジム。
ジム「ちょっとは嬉しいだろう?」
シャーロック「評決が?」
ジム「僕が自由になったことが。どんな童話にもいい悪役は必要だ」
試すように、舐めるように、ジムは語る。
ジム「僕たちは似た者同士。でも君は天使の側だ、つまらん」
確かに事件がない平凡な日々の中ではシャーロックは発狂せんばかり。ジムという好敵手の存在はシャーロックにとっては必要不可欠なのかもしれない。しかしとても危険。ジムがピアノを弾くようにパタパタと指を動かす、その一挙手一投足が何かの誘導のようで怖い。シャーロックが「こいつを人間と思ったことはない。こいつは蜘蛛だ」というのも実に的を得ている表現。
シャーロックとジムの問答は互いを試すように織りなす。相手を煽ったり、確かめたり、品定めをするように。
じつはジムはライバルと「信頼している」シャーロックにある意味「信頼されたい」のかもしれない。自分の価値を認めて欲しい。自分は脅威でシャーロックは敵わないということを。
ジムが何も盗まなかったのはそれこそいつでも盗めるから…あらゆる錠を開けることができる万能の鍵を持っているから。ロンドン塔、銀行、刑務所、同時に三箇所開けてみせた。結果、あらゆる「犯罪」に関わる者からモテモテになったジム。シャーロックに大仰に謝辞を述べる。
「僕達最後の問題がじきに始まる」
「落ちるぞ」
そう告げてジムは出て行った。「I O U(I owe you)」借りは返す、とメッセージを残して。
「借り」を返すとは何のことか…?
それから二ヶ月後。
ジョンがATMへ行くと…銀行からお金が下ろせない!というか変なメッセージが。
一瞬まさかジムが所持金をすっからかんにしたのかと思いましたが、マイクロフトからのメッセージでした。いつもどおりお迎えの車に乗り、たどり着いたのがディオゲネス・クラブ。
「マイクロフトどこ?」
と聞くと周囲は非常に驚いた顔をみせ、かつ靴まで袋で包んだ執事?に強制退場させられる。じつは連れてこられた先は会話禁止という伝統をもつクラブだそうで。秘密結社的な、詩人とか哲学者(ディオゲネスはギリシャの哲学者)が集まって物思いにふけったり、なにか考えたりするような、あるいは単に静寂を求める知識人/変人の集まりか…。いかにもマイクロフトがいそうなクラブでした。
…何でそんなとこで話すんだよ、マイクロフト。
何故からしくないゴシップ誌が手元に――法廷でシャーロックに接触を謀ったキティ・ライリーのシャーロックに関する暴露記事。情報源はブルックという男だとか。
本題のジョンが呼ばれた理由――4人の殺し屋がアパート近くに引っ越していた。
弟が命を狙われている、と珍しく心配するマイクロフト。守ってほしい、と懇願するマイクロフトに「仲直りすれば?」ともっともな返答を返すジョン。
ジョンが帰宅すると封蝋された変な手紙が。中にはパンくず?
家に入るとレストレード警部たちが”ライヘンバッハ・ヒーロー”をご指名の事件が発生したと告げる。駐米大使の子ども、兄妹が何者かに誘拐されたらしい。出て行く時、盗撮カメラの気配が…。
寄宿学校に着くと荒っぽい尋問。時間は短縮。ヒドイ…(苦笑)
素早く現場を検分。
妹の部屋には封蝋した封筒にグリム童話の本。
兄の部屋で匂いをかぎ、珍しく現場検証のためアンダーソンを指名するシャーロック。
特殊なライトを当てると、スパイ小説が好きな兄が残した痕跡…とっさに油で書いた「HELP US」のメッセージを発見。それじゃ何もわからないというアンダーソンにいつもの「流石大馬鹿だ」と返す。行き先と足跡、それだけでも充分な痕跡というシャーロック。
これからデートにランチをと出かけようとしていたモリー。しかしシャーロックに捕まりランチパックみたいなランチに。そしてデートの予定は全てお流れに。
あああ…モリーがこき使われてるぅぅぅ…。
現場から採取した足跡、微細物質から白亜、アスファルト、レンガ、植物、グリセリン?を検出。
手伝っているのにお礼はジョン向け…モリーがしょんぼり、いや傷心している…!でもいつものことと飲み込んだ感じに。モリーも気遣いできるのに…モリー!モリー!
モリーは自分の気持はシャーロックには届かないけど、みんなシャーロックのことを助けてくれるということをぶっきらぼうに伝える。不器用不器用とけなしたりもするけど、実はシャーロックもだいぶ不器用。一生懸命紡ぐモリーの言葉が刺さるようだけど優しい。ああ…モリー…。
ここでジョンは現場写真を見て、アパートの玄関にあった同じ封蝋をした封筒のことを思い出す。
中身はやはりパンくず…それと現場にあった封筒にはグリム童話。行方不明の兄妹とこのふたつを線で結ぶなら…「ヘンゼルとグレーテル」。
つまりこれはゲームか…どんな童話にも悪役は必要といっていたジムの言葉が思い出される。
ならばグリセリンの分子は「お菓子の家」、PGPR――チョコに含まれる。
警察の情報網だけではなくホームレスも利用し、検出した5つの物質に符合する廃墟のお菓子工場を割り出す。
しかし何故時間がないのか?
駆けつけるとお菓子の食べかす、袋が散乱。その一つを舐め、シャーロックは中に水銀が含まれていると気づく。ひとつひとつは致死量には足りないが、時間が経ち子どもたちが空腹でお菓子を食べれば食べるほど多く摂取することになる。だから時間がない、ということだったのか。
兄妹はなんとか保護。しかし兄の方は意識不明。犯人も不明。
捜査のため妹に聞き取りをすることになる(一応話す係はワトソンに)。しかし取調室に入った途端、妹は何故か異様にシャーロックを怖がる。
向かいの窓に「I O U」借りは返すの文字が書かれている。
子どもの異様な怯え方を観てドノバン巡査が怪しくなってきた。
真犯人はシャーロックで、これまでの犯罪は自作自演だ、という疑惑。
シャーロックはすぐに察した――これは、ジムの仕掛けた罠だと。
「いつかあいつは犯罪者になる」といって憚らないドノバン巡査は、今回のことでこれまで溜まってた鬱憤と猜疑心から、疑惑が確信に変わってしまった。冷静に考えればおかしなことなのに…。感情の化学変化とでも言うべき変化。
足早にタクシーに乗り帰宅しようとしたシャーロックにさらにジムが揺さぶりをかける。しかも本人が!わざわざタクシー運転手に扮して!
残念ながら殴ることも出来ずジムを取り逃がしてしまう。
その騒動の中で車に轢かれそうになったところを通行人に助けられるシャーロックだが…よく見ると通行人、殺し屋カルテットの一人!しかもどさくさに紛れて殺し屋が殺される。何故?
殺し屋は殺すためではなく、生かすためにシャーロックの回りにいた模様。
しかし護るのはOKだが、触れるのは厳禁とはどういうことか?シャーロックが何かを持っているから?
次々起こる不可解な出来事、全く全容が見えないこの罠に、まずWiFiから監視カメラが仕掛けられていることに気づき、それを排除しつつ出し抜く方法を考える。
レストレード警部が出頭するように伝えるもシャーロックは拒否。ドノバン巡査部長が言い出しただろうこともしっかり分かっている。
ジムの言っていた「落ちる」とはシャーロックの評判の失墜。
これまでヒーローのごとく持ち上げられていた人物が、転落するゴシップは大衆が好むところ。
罠は止まらない。
またあの封筒がとどく。
ドノバン巡査やアンダーソンにせっつかれ、警視正にまでシャーロック犯人説が(物証もないのに)あげられシャーロックは逮捕の流れに。今回はドノバン株価大暴落の回ですね…。レストレード警部苦渋の決断。逮捕状を持ちふたたびアパートへ。
「これで満足か?」
という皮肉に、当然といった風のドノバン巡査とアンダーソン。
逮捕時に何故かその現場に付いてきた警視正。シャーロックをこき下ろした瞬間ジョンの右肩が動く。
警視正を殴ったことで逮捕されるジョン。(良いぞ、よくやった!と声を出したくなるシーン)どこまでも付き合ってくれるジョン。
レストレード警部も大したことは出来ないが見逃す感じで一枚噛んでくれる。ありがとう警部!
手錠で繋がれ逃亡する2人だが…全然息が合わないwwww(手は繋がず袖を持ってるところがまたwww)
カップルと思われるほどなのに何故だ。
尾行していた殺し屋の一人をどさくさに紛れて尋問。
「彼の忘れもの。モリアーティの。コンピューターキーコード!」
そして言ってしまったことでこの殺し屋も殺される。
アパートに来た時にキーコードを何処かに置いたということか?忘れ物?ジムが?
この事件をひっくり返すため、2人が逃げ込んだ先はキティ・ライリーの家(隠れ家?)。暴露記事の情報源、リッチ・ブルックを追うため。すると偶然にも件のリッチ・ブルックがその隠れ家に…
って、ジムじゃねーか!
しかもすでに罠は張り巡らされており、”リッチ・ブルック”なる人物はシャーロックがジム・モリアーティという架空の人物をつくり上げるために雇った俳優だという(ことになっている)。
はああああ?
あまりの理不尽に私も声を上げそうになる。しかし客観的にみて不備はない。それを否定する証拠が無いのだ。むしろジム側に有利なデータばかり。
これはとても厄介な状況。
ドヤ顔のキティ・ライリー。裁判所での発言をそのままシャーロックに返す姿はドノバン巡査とかぶる。ようやくアンタに一矢報いたわ、という感じ。それはシャーロックがこれまでひけらかしに揚げ足をとってきたことの報いでもある。正しくなくても彼女たちは満足する。
ジムはやること大きい。シャーロックのために、まさかここまでするとは。
シャーロックはモリーのところへ。
「何が必要?」と、端的に、他の女性と違い(ドノバン巡査やキティ、ハドソン夫人ともまた違う)シャーロックの思いを汲み取ろうとする。いつもはオドオドしているのに今回は遠慮がちでもストレートにシャーロックを受け入れてる。いや、いつだってシャーロックのことを擁護してくれている。あああ!モリー!!
しかしジム・モリアーティと少し付き合っていたモリーにも危険が迫っているのではないかとハラハラ。
ジョンは困ったときのマイクロフト頼みへ。
かと思いきや…マイクロフトとジムの繋がりに気づき、マイクロフトを責めた。ほとんど誰もしらないシャーロックの情報(半生)を漏らすとしたらマイクロフトしかいなかった。単純な消去法ではあるが、正解だった。四人の殺し屋のことをジョンに教え、シャーロックを護るように言ったのは自責の念からだった。
マイクロフトはあらゆる鍵を開けられるキーコードについての情報と引き換えに、シャーロックの情報をジムに渡してしまったのだ。前回のエピローグはそういうことだったのか…。
ジムの創りだした”リッチ・ブルック”という存在が架空であり、身の潔白を証明するためには、ジムが置いていったコンピューターコードが必要。しかし一体何処にあるのか?
そこでふと、来た時の手をトントンとする仕草を思い出す。
モリアーティの仕草…。
あれが数字を表し、それがコードだった!
シャーロックからメールを送る。 ジムがロンドン塔でしたときのように。
ジョンの携帯にハドソン夫人の銃撃の報がはいるが…さて…?ジョンは急ぎアパートへ。警察はいないんだろうか…。
そしてそのタイミングでジムと接触。
病院の屋上、今日は死ぬには良い日だというような青空のもと、やっぱりステイン・アライブで待ち構えるジム。このシーンすごくカッコいいです。
「最期の問題に挑む時」
「人生はつまらん!」
あの時、パタパタと動かしていた手が表すもの、コンピューターコードとはバイナリーコードだった。
…というのも嘘!
実は内部に協力者がいただけ、という単純なトリック。
前回、ジョンが車のライトの明滅をモールス信号だと思ったのと同じようなミスリード。何もかもに意味があるのではと勘ぐってしまうその思考を逆手に取ったブラフ。
無いものに踊らされ、やはり追い詰められていた。
ジムが用意したシナリオはシャーロックの失墜。それも文字通り落ちること。汚名にまみれシャーロックが自殺することで、このゲームは幕を下ろすという。
シャーロックが自殺しない場合、ジョン、ハドソン夫人、レストレード警部を殺し屋が殺すとも。
本当に三人の殺し屋はいるのか?それすらよくわからない。けれどジムならば手配しているだろう。張り巡らされた蜘蛛の巣。その巣がどれだけ広がっているか不鮮明なのがジムの怖いところ。
シャーロックの敗北を確信し勝利宣言するジム。
同時に非常に退屈そう。せわしなく躁鬱を繰り返す。この辺のジムの演技はすごい。すごいキモいしすごく怖い、危うい。
そこで突然シャーロックが笑い出す。その姿に動揺するジム。ちょっと初めてみたかも…。バツが悪そうなことはあったけれど、その不敵な笑いに何か自分がこのやり取りに失敗したのかと動揺している。井上雄彦「バカボンド」の「その場で勝ったことになればいい」という気概の事を思い出した。
ジム「僕は中止しないし」
という言葉からその気になれば中止命令を出せることに気づいたから。
誰がシャーロックが天使だっていった?以前ジムが言ってたが、今まで他に言われたことすらない!
気圧されつつシャーロックが本気なことに納得するジム。ジムとシャーロックは相似形、限りなく同じに近い。握手をかわす2人。何故?ジムを逃がさないようにするため?それとも触れたものは死ぬから(殺し屋のように)?
「まあ頑張れ」
まさかジムが自害するとは!銃口を咥え、左手撃ち。
驚き、今度はシャーロックが動揺する番。
どう決着をつければいい?リッチ・ブルックが架空の人物であることを立証するには?それに今まさに放たれている三人の殺し屋は?ジムが命令しなければ殺しを取りやめることは出来ない。
ジョンに電話するシャーロック。そしてなんとジムのシナリオ(罠)を全面的に肯定した内容を告げる。何故!?
ジョンのことも実は事前に調べてたという。いや、お姉さんのことお兄さんと間違えてましたよ…それも演技だと?
ジムの思惑通り堕ちるシャーロック。
シャーロックが自殺したので狙撃は中止。
あの状況ではどこから狙撃手が狙っているか分からない。しかしジムが死んだ今中止させる手立てはない。身を挺して守った。
そして最初のセラピーに戻る。ジョンはやっぱりセラピストには何も言えず。
ハドソン夫人と墓の前でシャーロックの話し。悪口しか出ないけど。
最後にジョンは「僕は孤独だった、君に救われた(I was so alone, and I owe you so much)」と告げます。
I O Uが違った形で出てる…!
ジョンとジムの対称的な「I O U」
そんなジョンの姿を遠くから見つめる視線――シャーロック!
そこで今回は幕。
ええええっ!!
なんと焦らす終わり方でしょうか!!ご無体な!!
スッキリした終わり方が好きな場合はむしろ好まれざるエンディングでしょうか。いや、私は好きだ!今までにない「ライヘンバッハの滝」だった!
良かった…よかったシーズン3があって…!
しかし今回、かなりハラハラさせられました。
最後にモリーに頼んでたことはやっぱり自分の死を偽装することかな?モリーに会いに行く前に「ゲームを終わらせるには後…」と言いかけていたので、自分が死ぬことになることは見当がついていたはず。「終わらせるには後(僕が死ぬことだ)」と続いたのでは。それにアイリーンも死を偽装してたし、病院のスタッフはジョンを遺体に近づけないようにもしていたし(処置としては当然ですが勘ぐってしまう)。
Fallが滝ではなくそれこそ落下とかけてたのですね…。ダークナイトのように墜ちるヒーロー。実際に落ちる決断。
それにしてもジムは本当に自殺したのかな?左手撃ちだったし、狙いがずれたりとか、銃口を咥えて頬を撃ちぬいただけだったら生きてたり…。でも映像を観ると頭から血が出てる…頬は無事。あるいはうまい具合に脳幹をズレて…(どんだけジムに生きてて欲しいんだ私。)
あと最初は何故自殺したのか理解に苦しみましたが…。
一つはシャーロックを確実に自殺させるため。3人への襲撃を絶対止められないようにするため。これはまあ当然というか。
もう一つはシャーロックと同じく平凡/日常に退屈していたので、生きづらいからこそ自殺したのではないかと。日々に退屈しすぎていつ死んでもおかしくなかったのかも。他人の命も自分の命もいつか死ぬものだから楽しくなければ無意味。着信も”ステイン・アライブ”だったのは皮肉かと思います。ジムというキャラクター性と脚本家の。
あとドノバン巡査とアンダーソンに誰か助走をつけて殴りかかってくれないかな。私が殴りたい。警視正はジョンが殴ってたからよいのです。
焼けたジンジャービスケットは何だったのだろう…。 魔女が竈で焼かれるってことでモリーかまさかハドソン夫人に危機が!?と思ってたのですが。
ううーん…シリーズ最終章は気になる終わり方ばかりなんですか!?