【映画】アナベル/Annabelle(2014)【感想】
死霊館スピンオフ映画アナベル。
『ソウ』、『死霊館』の監督ジェームズ・ワン製作!
“実在”する史上最も呪われた〈アナベル〉人形を基に描く戦慄のホラー!全世界が最も戦慄した『死霊館』の前には
実在する呪われた人形〈アナベル〉の物語があった死ヌマデ、遊ンデ。
『死霊館』に登場した恐怖の人形の誕生秘話が、今ここで明かされる。
ジョンが妻ミアのために用意した最高のプレゼント――それは貴重なアンティーク人形。
だがその人形アナベルをもらった喜びも束の間、ミアたちの幸福は一転して惨劇へと変わる。
アグレッシブな幽霊/悪霊が観たいならインシディアスとかこれですね!
びっくり箱系ホラー映画。 死霊館もそうですがホラーというか…うん、そんなに怖くはない。怖さだったらオキュラス(怨霊鏡/Oculus/2013)の方が怖いと思う。音で驚かせるタイミングとか効果は抜群。もう一回見ても音で吃驚してしまう。
演出も綺麗。闇とか暗がりに対する怖さを生み出している。
ストーリーは、お隣で大変なことが起きていきなり幽霊かと思ったら、質の悪い犯罪者(人間)の侵入を容易く許す怒涛のオープニング。そんな映画前半は奥さんのミシンの使い方が怖くて怖くて仕方ない。指が針に近い上、テレビを見ながらのよそ見とか…。これで何も起きないはずがない。
そして霊障に誘発された産後、神父様の話を変に解釈して捨てたのに戻ってきた人形を迎え入れちゃう奥様。なんでだよ!そんな行動産後鬱ですらないよ!人形の顔、不気味に変わってるし!家を越したのは英断だけど持ってきちゃダメなもの持ってきたー!!
おまけに新居ちかくの古書店は怪しさ満載。(まさかキーになるとは夢にも思わず私は警戒しっぱなし)
アグレッシブな悪霊/悪魔によるアグレッシブな霊障…新居アパートの階段に落ちて(く)る子どもの絵とかサイレントヒルですか…バッドエンド用の収集アイテムですか。私はこの映画見ている間、何故かずっとゲーム「サイレントヒル」シリーズを思い出していました。霧も錆も出てないのに。それっぽいアイテムが出てきたので調べると…みたいな演出が多いからでしょうか。ゲーム的な展開に思います。私だったらそういう物が少しでも見えた地点で逃げ出してると思う…。
不自然で怖いものー!
そうですね…エレベーターのシーンはこの映画でミシンの次に怖いポイントですね。あそこは素晴らしいと思います。必見です。
そして主人公はゲームの主人公ばりの真相究明捜査を始めます。といっても刑事さんを召喚して現場写真強奪ですが。
てっきり敵だと思ってた怪しい古書店さん大活躍。
神父様は自分でフラグ回収。
後半はお待ちかね、悪魔が強力な霊障を披露。
ポルターガイストで刃物が飛んで来るのも怖いですが、オキュラスみたいに見てるものが信じられなくなる系の能力はズルい。チートだと思う。
最終的に犠牲/生け贄がどうしても必要だったので古書店員さんがその命を差し出すという幕引きに。
…解せぬ…!
悪魔の所業にしてはお粗末な点が解せません!
聖書でも自殺は大罪なので地獄に落ちるけど、自己犠牲の魂は神が見出すから悪魔のものにはならないんじゃないかな…。と、コンスタンティン好きな私は思うのです。
作中でも
神は犠牲を讃えます
自己犠牲が神を動かし、救いの手を差し伸べる
と、冒頭で触れているので。これは視聴者に古書店員さんの魂が決して悪魔の手に落ちることはないと、救済の余地があることを示唆していると思います。
そうなってしまっては悪魔的にも都合がわるいので、オキュラス並の能力を持っているなら、幻で見せた「赤ちゃんをアナベル人形に見せかけてお母さんに殺させる」ほうがずっといい筈。赤ちゃんの魂も入手できる上、あわよくば子殺しの罪を背負うことになる母親の魂(本命)まで…。
しかし結局どちらの魂も手に入らず、悪魔は今回失敗したため人形は行方不明になり、不思議な事に人手に渡り…やがて死霊館へ繋がる超常現象研究家ウォーレン夫妻の元へ行くことになるわけです…。
見終われば悲しいながらも、かなり救いのあるエンディングだったと思います。
古書店員さんは死なないで欲しかったですが…どこかで死に場所を探してた風な人だったけれど。
まとめると、怖さはさほどないけど吃驚したいなら外せない。音響素晴らしい!アグレッシブ悪霊。ちょっといい話し系ホラー。