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せっかくなんで観た映画を徒然なるままに

【映画】ナイトクローラー/Nightcrawler(2014)【感想】

ジェイク・ギレンホール主演。大好きな俳優の一人。ドニー・ダーコとかミッション: 8ミニッツ、プリンス・オブ・ペルシャ…どれも何度も観ちゃう映画。

しかしこの映画…恐ろしい映画です。端的に胸糞悪い系映画です。何度も観たくないかもw度合いは…それこそ個人のモラルに左右されるかもしれません。気にしなければ気にならない事。それが怖いのです。

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第87回 アカデミー賞脚本賞ノミネート!視聴率至上主義が生む戦慄の報道パパラッチ。ニュースが伝えるのは、真実か?©2013 BOLD FILMS PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 

全体的に夜が非常に綺麗に描写/撮影されている映画です。OP、EDの月夜の映像はパソコンの壁紙に欲しいくらい。併せてBGMも合っているし、とにかくすごく綺麗です。

その綺麗さが夜という静謐感のある時間帯、そのもう一つの面、隠匿された犯罪/騒乱を綺麗なコントラストで表現しているような。

気取った感じの映画にも思えますので、のめり込めるかどうかは人によります。

娯楽映画のような吸引力はないです。絵画を鑑賞するような感じで視聴する映画ですね。

 

出だしから主人公ルーのクズっぷりが最高です。主人公は主人公なりに非常に真面目で一生懸命なのですが…実のところ素晴らしい学歴も職歴も実績もない。

 

もう一つ、この作品のベースにはモラルが低下している/する社会情勢というのは欠かせないのではないでしょうか。あてにならない警察(LAですし事件は多いから手が回らないのもありますが)、不況、高い失業率、倍率の高い求人、軽犯罪でしか生計を立てられない状況…悪意に満ちて悪循環に陥った社会。

 

日銭を稼ぐ中、ハイウェイでルーは交通事故とそれを撮影するクルーを目にします。

その出会いがルーにとってまさに岐路となります。

ニュースでは毎日事故や事件などの(凄惨さのある)ニュースが流れています。日々需要があるわけです。これは稼げるのではないか?きっとキッカケはこのくらいの気持ちだったと思います。

 最初は機材も撮り方もアマチュア…しかし徐々に機材が揃い(カメラやライト、警察無線を傍受するツール、車…etc)、人を雇ったりと元来もつ主人公の行動力と勤勉さが光ります。そしてもうひとつ、交渉術のスキルも徐々に磨かれていきます。序盤のコソ泥の時の交渉から、ディレクターや同業者達とのやり取りを経て、一種のカリスマ的な人物に変貌していく様は鳥肌がたちました(気持ち悪くて)。

 

雇った助手リックに語るビジネス論など所詮ネットで拾った付け焼き刃の情報なのに、自信を持って発言するその様に飲まれるというか?客観的に視聴者は「何言ってんだコイツ、職なしコソ泥だったくせに」と思うはずですが、実際にこういう人がいたら…?自信たっぷりに語る姿に嘘だとか思う以前に、気圧されるように「そういうものか」と思うでしょう。

実際、リックはルーから罵倒される日々の中で徐々に誘導?されていくわけですし。

 

またストーリーが進むにつれルーの表情も日々の生活の焦燥感から、センセーショナルな絵を撮るために貪欲な、ギラつく表情に変わっていく…この辺のジェイク・ギレンホールの演技(とメイク)で画面に惹きつけられれてしまう。洗面所で鏡を割るシーンなど怖いくらい。

 

そしてルーが映像を売り込んでいたTV局のディレクターもおかしくなっていきます。

視聴率低迷であえぐTV局のディレクター。番組にテコ入れできる映像がほしい。そのために凄惨な現場を伝える、という意識がやがてそういう絵(映像)を求め、そういうシナリオを求めることに変わっていく…。真実ではなく視聴率を維持する事実と脚本のみが優先されていく…。いったいどこからモラルが消えたのか…境界が非常に曖昧。

放送コードに引っかからなければいい!と声を大に言った辺りは確実かな…。

 

ルーの方もどんどん常軌を逸していきます。もともとクズだったのですが、クズから人非人に変わります。同業者の事故に同情するどころかネタにする、事前に殺人事件現場にいながら通報よりも撮影を優先…ニュース放映を意識してあえて通報を遅らせるなど。

撮影する側からみれば非常に合理的です。

合理性を常に追求しているのです。

ルーもディレクターも、どちらもごくごく普通の、しいていえば仕事熱心な人。欠点をあげるなら地位みたいなものに貪欲になった点でしょうか。

 

あ、助手のリックはバカだったと思います。欲に目がくらんだ点もそうだし、実はルーほど度胸もない。要領も良くない。ルーにふっかけてきた事自体が間違いだったように思います。

ルーは確かに大見得きりだけれど、自分のやることに強く自信を持っている。先のことも考えている。勝負どころも見極めている。

リックはそれが出来ない。

のに、ボスに噛み付いてしまったわけです。バカですね―。いや、彼なりに這い上がりたかったんですが…バカですね―。

 

(思えば出てくる人物みんなクズじゃあないですか…)

 

終盤のカーチェイスはなかなか良かったです。緊迫する映像がルーの精神状態ともリンクして見えて、最後の盛り上がりとしては良いエッセンス。

 

よりセンセーショナルな映像を求め徹底的に傍観者になるその姿、自身の繁栄のために貪欲に突き進む姿勢は究極の合理性。

最終的にリックに「イカれている」と評される。

ディレクターからは「素晴らしい」と評される。

警官からは「ウソつき」と評される。

これらはどれも是なのです。

 

 ラストはある種のサクセス・ストーリーとして幕を閉じます。

これまで言っていた口先だけの会社ではなく本当に会社として起業し、車もバンになり、新規雇用まで…。社長として独自のあの付け焼き刃だったビジネス論を展開。

ルー「成功の近道は献身と従順」

ルー「僕は自分ではやらないことを君たちに求めたりはしない」

そんなルーを羨望と期待を含めた目で見つめる新規雇用者(ルーの追従者)達。やがて彼らもモラルを放棄するということでしょうか。

 

最初は主人公が徐々に狂気に侵されていく映画なのかと思いましたが、ルーは至って正気です。始終正気です。狂気でもサイコパスでもない、合理的に動いただけの普通の人間の姿が描かれていました。

これは一部のYouTuberやニコ生主と同じ感じですね…。Twitterの炎上などにもみられる共通点。凡人が何かを求めて起こした行動――過剰欲求が人間を社会性から逸脱させる感じです。で、これが多くの人が目を背ける人間らしさです。

なので主人公ルーをクズと一蹴するのは浅はかだったかもしれません。端的に言うにはクズですが、ルーは本当にただの凡人です。

 

 私は人間らしさとはモラルの有ることだと思っていたのですが、この映画はモラルをかなぐり捨てることで人間らしさを表現しています。それにリアリティを感じるとは…かるく目眩がします。

私が求める人間らしさとは理想論なのだと、アバターや第9地区ぐらい「汚い!人間汚い!」と叫びたくなる映画です。そんな汚い人間性を綺麗な夜景と音楽、脚本で際立たせてくれた監督に感嘆します。

 

ガムみたいに噛めば噛むほど味が出る映画ですかね…胸糞悪くなりますが。

【映画】シャーロック 忌まわしき花嫁/SHERLOCK The Abominable Bride(2015)【感想】

現代版のドラマとは異なり1895年を舞台にしています。総集編みたいな作品なのでこれまでのシリーズを視聴してからがお勧めです。

多分単発で観てしまうと…意味が分からない部分が多く出てくるのではないかと。作中にあるTVシリーズのオマージュとか、人物の相関図、モリーの魅力とかモリーの魅力とかモリーの魅力が。

今作はなんというか…作りが難解な作品です。

 

トーマス・リコレッティの前に、数時間前に命を絶ったはずの夫人がウエディング・ドレスを着て現れる。一方、レストレード警部から夫が妻の幽霊に殺された、と事件の説明を受けたシャーロック・ホームズは、ワトソンとともに事件解決へと乗り出すのだったが…。シャーロック・ホームズジョン・ワトソンの名コンビがロンドンを舞台に活躍する、TVドラマ「SHERLOCK/シャーロック」の特別編。

今回は吹き替え版で視聴。

 以下、ネタバレ含め感想をダラダラ。

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【映画】ハンガー・ゲーム FINALレボリューション/Hunger Games: Mockingjay - Part 2(2015)【感想】

シリーズ最終章。長かった…。でも初公開が2012年だからそんなに長くはない…か。

ゲームを繰り返す政策に終止符をうつための最後の戦い。

カットニス率いる第13地区の反乱軍はついに、スノー大統領が支配する独裁国家との最終戦争に突入。ゲイル、フィニック、そしてピータを従え、カットニスはスノー暗殺作戦を決行。しかし一行は、死のトラップや無数の敵に直面。それはまさにスノーが仕掛けた戦争という名のハンガー・ゲームだったのだ。そして、これまでのどのゲームの戦闘よりも困難な状況に陥る。その先には、予想だにしなかった衝撃的なラストが待ち受けているのだった。(C)2015 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

以下、ネタバレ感想ダラダラと。 

 

視聴してすぐ思ったのは長くてもうだいぶ内容を忘れてしまったこと。

ロード・オブ・ザ・リング」も三部作という超大作なのにそんなことはなかったのにですが…何故だ…何故ハンガー・ゲームは内容を忘れてしまったのか…。

 

登場人物が多いから!(併せて死亡者も多いから!)

ハリー・ポッターより多く感じる…実際カウントして検証してみたいけれどどちらも多すぎてそこまでする気は起きないです…。

 

カットニス、ピーター、ヘイミッチ、エフィー…くらいしか覚えていられない(挙げてみたら「1」の主要メンバーじゃないですか…シナは好きだった)。第十二地区の彼氏の名前はよく忘れてしまう(ゲイル)。今作ではもう見事に二人の間に隔たりができていますし。

プルターク(演じたフィリップ・シーモア・ホフマン氏はクランクアップまであと一週間というときに急逝…。ご冥福をお祈り申し上げます…)ほぼ近い頃に観た「ミッションインポッシブル」の所為で敵なのか味方なのかと今だに構えてみてしまうキャラクターでした。

Part1で合流した部隊は誰もよく覚えてません!コイン首相くらいしか!

 

Part1の内容もなかなか焦らされるものがあって面白かったはずなのに…キャラクター同様殆ど覚えていない…。レジスタンスことPart1は壮大なピーター救出作戦という認識になってしまったから…。

 

でもpart1の終わりから、今作の冒頭の変わり果てたピーターはなかなか衝撃的です。ゲッソリやつれ、カットニスに敵意むき出し。ピーターの親族は誰も残らなかったこと、スノー大統領が得意な精神崩壊技術の影響はかなり効いているようで。Part1に比べると顔色はだいぶ良くなったけど洗脳は解けず。

途中で洗脳の殺意が結びついて話された、1でのカットニスとピーターを最初に結びつける「焦げたパンのエピソード」がなんだか切なかった…結果的にどちらも傷つく話しだった…。

 

そんな状態のピーターを気にしつつ、ついに反乱軍は政府打倒の為にキャピトルことスノーへの攻撃を開始します。カットニスは私情を絡めたスノーへの憎しみを募らせ殺る気充分です。

 

 対するスノー大統領は今回も迎撃にゲームメーカーの力を借りてます。

ハンガー・ゲームの世界では本当に戦いが娯楽。ストーリーがローマの闘技場からインスピレーションを得たものだと聞き及んでおりますので、その辺はしっかり貫いていると思います。日本でハンガー・ゲームが公開された当初はバトルロワイヤルみたいと言われていましたが、ぜんぜん違うとおもいます。

バトルロワイヤルは素人がいきなり実戦投入されて人間の本性が暴き出されるプログラム(ある意味ゲーム?)。

ハンガー・ゲームはプレイヤーとして鍛えられ、援助を受け最後の一人まで闘いぬくことを強いられるゲーム(それこそグラディエーター)。

どちらも残酷ですが前者のほうが凶悪とは思います。どちらも御免ですが。

余談ですがパクリというならば「ダイバージェント」の方が劣化「ハンガー・ゲーム」と思ってしまってました…(でも「ダイバージェントNEO」はCG技術の向上が見られるようなので観てみたい。ディストピア感も結構いいので)。

 

  ゲームが無い代わりに、今作から登場したポッドという新兵器(地雷)がなかなか怖い。見た目重視の殺傷兵器(犠牲者を見世物とする意味合いが強い気がします)で火炎放射器だったり、強装弾の固め撃ちだったり、人をワイヤーで捕縛/刺殺する形をとってたり…と種類も様々。ちょっとした「CUBE」。

キャピトルの市街地入り口でさっそくポッドや罠が発動したシーンは戦慄しました。すごいよゲームメーカー。

 

仲間はこれにより次々死んでいきます…。

 

そういえばボッグスはコイン首相の右腕?でしたが、ピーターが送られたのもカットニスが革命の象徴として首相の地位を脅かす存在になるのではと恐れていたためと予想していましたし、今際の時に「上を信じるな」と言ってたことを考えると、薄々感づいていたのかな。…コイン首相はある意味スノーとまったく同じような人間だということ。むしろ悪いところだけを凝縮したような人間。

 

リーグ姉妹の犠牲をもって一時的にカットニス達――残存の451部隊は死亡扱いになりますが、すぐに監視カメラ映像から生存に気づかれてしまいます。

その時のスノー大統領の嬉しそうな表情と言ったら孫をみるおじいちゃんそのもの。宿敵が生きていて嬉しいタイプ。でもかなり顔色が悪い…。

 

舞台が地下道へ移ると「エイリアン」みたいな映画になります。

そういえばハンガー・ゲームってSFだった…変な生き物も出てくるんだった。「2」にでてくる人の声マネをする鳥とかすごく厭な生き物だとおもいます。今回出てきたのはミュットという大量生産されたゴラムみたいな生物兵器。恐怖とともに違う映画を見てる気分に。ここで部隊がほぼ壊滅的な被害を蒙ります。ピーターと同じくらい共に戦い生き残ったフィニックまで…。

 

犠牲者を出しながら逃げ込んだ先にいたCATSみたいな人の出現には正直驚いた。元スタイリストでスノーの美的感覚とは違ったため追い出されたそうですが…彼女にスポットを当てたストーリーが観てみたいと思うくらい個人的には好きなヴィジュアルです。

 

その後は駆け足でストーリーが展開します。

避難民(キャピトル市街戦に際してシェルターとなる大統領官邸へ向かう市民)に紛れスノー暗殺を試みますがうまく行かず、そのピンチに合わせて反乱軍の襲撃。

そして官邸へ退去する民衆…とくに子ども達を優先して保護するというが、これは子どもを盾にしている事と同じ。子どもと引き離され混乱する市民の親達。その混乱の中、政府機が官邸保護を理由に市民――主に子どもを爆撃(政府機から落とされた物――ハンガー・ゲーム中にプレイヤーへの支給品のように降り注いだアイテムが爆弾だった)。負傷したキャピトル市民を救護する反乱軍めがけてさらに爆撃。このときカットニスの目の前で妹プリムが爆死(救護活動を行っていた)。この一連の流れがものの5分もしない間に…。

この爆撃が決定打となり、カットニスが休眠している間に戦争は終結。スノー大統領は捕縛され裁きを待つことに。

結果的にカットニスが目論んでいた暗殺は不必要に…。

またそもそもハンガー・ゲームに参加するきっかけとなった程守りたかった家族――プリムを目の前で死なせてしまったことに呆然とし、しばらくカットニスは無力感に包まれたようになります。

 

カットニスはスノー大統領との対面(あとそんな気はしていたけどスノーが余命幾ばくもない感じで…ずっと血の混じった咳をしていた)と、映画序盤でのゲイルの話していた二段式爆弾の攻撃の話を思い出し、戦争終結の爆撃にコイン首相の関与を確信。ついでにゲイルとの関係にも決定的な亀裂が生じる。

 そしてすぐに暫定大統領として権力を得たコイン首相はキャピトル市民のハンガー・ゲームを開催するなどと発言。ボッグスの忠告通り…。

復讐に燃える女性陣は賛同。しかし他はドン引き。そもそも何のための反乱であるか。スノーと同じ指導者であるならば意味は無い。

スノー元大統領の死刑執行を自分に任せてくれるなら、とコイン首相の案を支持するカットニス。だが執行の時、カットニスの矢は正確にコイン暫定大統領を射る。それを見て笑うスノー元大統領も流れこんだ大衆によって恐らくリンチに。

 

 カットニスは誰もが予想しない形で最後の騒乱を終焉させました。

 

事情を知らない民衆からみれば何をするんだと思われても仕方ないですが、現在考えられる限り最も最適な方法をとったと思います。コイン首相の案は到底支持できませんし、かといって”正しき裁定”のために時間をかければかけるほどカットニスがきっと不利になると思いますし…。

スノー元大統領もコイン暫定大統領も、自らの業から相応の者によって裁かれたというべきでしょうか…。

 

プルタークの手配やヘイミッチ、エフィーの助力もあり、カットニスは追われる身になりながらも帰郷。

ヘイミッチとエフィーはキャピタルでのカットニスの父と母みたいでした。ハンガー・ゲーム2でのエフィーとカットニスの涙ながらのハグは好きなシーン。

 

キャピトルからの帰りの列車は行きと違い何の思惑もなく、ただただ静か…空虚感に満たされています。

 

帰郷したものの…かつての故郷は雪に閉ざされ、人もおらず、孤独しか残らなかった…。唯一生き残ってたのはプリムが大事にしていた猫のみ。プリムを思い出してしまう猫に八つ当たりしつつ、やがて猫を抱きしめます。

 

カットニスは最初にハンガー・ゲームに参加してから、こんな結末になるなどとは思っていなかったと思います。

ただ家族を守りたかった…それだけなのに結果としてはその家族も、それまでの関係も、故郷も全部無くなってしまいました。

 

けれども新しい関係と新しい体制を実は手に入れています。ハンガー・ゲーム、キャピトルに関わることで出会った人々とハンガー・ゲームのない政府/未来を。

 

 さらに時は流れ、人は死んでも第十二地区の森は春を迎えて再生をはじめます。

そこにピーター帰還。スノーによる洗脳から開放されたようで、プリムローズ…妹の名前でもあり春を告げる花(花言葉が「永続する愛情」「運命を開く」等)を携えて。

 

崩壊した第十二地区にはカットニスとピーター、ヘイミッチが生活。なんだか最初のゲームが終わったこ直後のぎこちない安寧の時と同じメンツですが、全然違った関係にみえます。(ヘイミッチは後の2人のお産に付き合ったのかしら?大変な修羅場そうで想像するとちょっと可笑しいw)

 

幕引きとしては良かったと思います。

でもなんだか物足りない気もします。「マトリックス・レボリューション」と似た感じ…でしょうか。この流れで終わらせるとしたら、たしかにこういった結末しかない…という事は理解できるのに、あまり納得出来ないというか。

 

あと今作の惜しいところは人が多く犠牲になってもあんまり重みがないところかもしれません。「あー、死んでしまった」とそれこそゲームのモブが死ぬように見えます。

アニメですが「進撃の巨人」のトロスト区での戦いでリコ隊長が「みんな…死んだ甲斐があったな…」というシーン…あれはすごく重みを感じました。

ハンガー・ゲーム」シリーズ作中で戦いに勝利するためにカットニスを生かすため奮闘し、犠牲になった仲間たちが大勢いました。「進撃の巨人」でも同じようにエレンを援護して奮闘する仲間たち…。状況は非常によく似ているのにどうしてこうも違うのか。

仲間の死の重さ…その感じが私はこの映画からはあまり得られないのです…。感じ方の問題なので他の人にはそんな事はないのではないかと思いますが。

何が違うのか…個人的には罠/ポッドという存在がそうさせていると思います。

何処にあるかわからない兵器で死ぬのは、罠にかかる者が不運だったから。戦って死んだと思わせない…なんだかネズミ捕りにでもかかったかのような、不注意で死んだかのような気にさせる、人命を軽視した武器のせいではないかと思いました。(ボッグスもサイテーの兵器だと言ってましたね)どこに設置してあるか分からない以上、回避は難しい兵器ですが…あんなもので死ぬなんて…。そう思わせてしまうからかもしれません。

 

また前衛としてキャピトルに突入した第451部隊そのものが無駄だったこと…。

もともとプロパガンダ用部隊だとは言われてましたが…実際に暗殺が成功しても良し、失敗しても殉死部隊として士気を高めることができる使い捨て部隊。

そんな思惑を感知してコイン首相の思惑通りにはさせまいとしたボッグス。一時的ではあっても451部隊の死を偽装するまで戦ったリーグ姉妹(負傷した片方を助けるために罠を踏んだ落とし前を付けるつもりだったのか…あと純粋に置いていけなかったというのもあるけれど)、ミュットに襲われ部隊のほとんどと結婚したばかりのフィニックまで…とかなり胸がいたいのに…。

観ている最中はただただ散っていくだけにしか見えないほど皆あっさり死んでいきます。とにかく虚しい…。

 

そう思うとコイン暫定大統領向けて放たれた矢に関しては共感するのです。ただスノー大統領の座を奪いたかったコイン首相という人物の排除に。コイン首相もキャピトルに滅ぼされた第十三地区の怨嗟から、大統領に成り代わりたいと思うようになった人物なのかな…。でもやり方まで同じでは良くなかった。

 

あとカットニスの心理描写は今回はあまり感じられませんでした。始終押し殺しているように見えますし、あまり激情に駆られなくなったともとれます。なので全体的な空虚感をより強くさせるといいますか…。

ゲイルへの愛情の低下っぷりとか、ピーターへの憐憫と愛情の募り具合とか…色々あったと思うんですけど…ね。その辺に関しては「1」「2」の方が個人的には好みな描写です。

 

最後に今作ヘイミッチあんまり出番が無い…勿体無い!

 

今作は全体的には駆け足な気がします。あまり考える暇なく作戦は進行しますし、キャラも死亡していくので…展開についていけなかったのかも…。

あととにかく空虚…。

生き残ったカットニスは自分は多くの犠牲の上に生き残る必要があったのだろうか、と悩む事はないのかな…なんて思いますが。新しい命を育み残った大切な人々と幸せに生きて欲しいと思う…そんな映画でした。

SHERLOCK(シャーロック)S3#3「最後の誓い」

シーズン3最終話!今回はどんな強敵が!?そしてモヤッとした終わり方になるのか!?衝撃の展開が!?

全然関係ないですが今回の敵、マグヌセンのことを「サッカリン(タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密の敵)」と呼びたくなってしまう。眼鏡と髭しか共通項無いのに…。

 

シャーロックが新しく受けた依頼は、議員の夫が未成年の女性に送った露骨な恋文を取り返すこと。 新聞社のオーナーであり、裏の世界では「恐喝の帝王」と恐れられるマグヌセンは、この昔の恋文をちらつかせて議員を脅迫しようとしていた。 恋文を盗み出そうとマグヌセンのオフィスに忍び込んだシャーロックが見たのは・・・。(C)Robert Viglasky (C) Hartswood Films 2013

以下、ネタバレ感想ダラダラと。

 

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SHERLOCK(シャーロック)S3#2「三の兆候」

ついにメアリーと挙式のジョン!いいんですかシャーロックがベストマン(Best Man/付添人)で!?

ロバート・ダウニーJr.のシャーロック・ホームズでもジョンとメアリーの結婚式は波乱と笑いに満ちているので「シャーロック」ではどうなるかとドキドキ・ワクワク。

今回は非常に内容がボリューミーです。

 

ジョンから「結婚式のベストマン(新郎付き添い)になってくれ」と頼まれたシャーロック。 ベストマンとしてのスピーチでジョンとの冒険談を語り、「血まみれの衛兵事件」と「カゲロウ男事件」を紹介する。 ところがその二つの事件には、今まさに結婚式場で起ころうとしている殺人事件の手掛かりが・・・。(C)Robert Viglasky (C) Hartswood Films 2013

 

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SHERLOCK(シャーロック)S3#1「空の霊柩車」

今シリーズからメアリーが登場するようですね!シャーロックいない間の出会い…気になります。あとシャーロックの生存トリック。

ライヘンバッハの滝でシャーロックは完結するつもりだったのにファンの強い声に苦肉の策で復活させた経緯の「空き家の冒険」が原案。

泳ぐやる夫シアター コナンドイル「小遣い稼ぎにキモオタ向けのラノベでも書くか」

↑ふざけた説明かもしれないけどよくまとまってると思うので。

しかし何故「空の霊柩車」なんだろう?

物語は前回の衝撃のラストから始まります。 

悪の天才モリアーティの謀略により「いかさま師」の汚名を着せられ、屋上から身を投げたシャーロック。あれから二年。 ジョンはシャーロックと共に暮らしたベーカー街221bの部屋を出、メアリーと恋に落ち、真剣に結婚を考え始めていた。 ところがそこへ・・・。(C)Robert Viglasky (C) Hartswood Films 2013

以下、ネタバレ感想ダラダラ

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【映画】デッドプール/Dead Pool(2016)【感想】

悪ノリの申し子、デッドプール

デッドプールはアニメのアルティメット・スパイダーマンでのエピソードをちらっと流し見した程度しか知らず、フューリーの養子だとか、スパイダーマンと仲良く仲悪いとか、軽いノリとか…そのくらいのイメージです。つまり全く詳しくはないです。

昔はアメコミ実写映画はつまらなくて大嫌いだったのに、サム・ライミスパイダーマン」や「アベンジャーズ」という面白い作品が出てから無視できなくなりましたねぇ…。

この映画は微ゴアアクション娯楽映画、頭をからっぽにして観れる映画!

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 こんなヒーローを待っていた!お行儀のいい正義の味方はもう古い!?
能天気で無責任。口からとびだすのは毒舌ばかり。子どものようなギャグが大好きで、すぐにブチキレる。美女には弱く、自分のことを「俺ちゃん」と呼ぶ軽さ。そしてハローキティのグッズを愛用する、お茶目な一面も!人類を守るなんて正義感は最初からゼロ。あくまでも自分のため、あるいは報酬のために戦う。生死を分ける戦闘の最中も、おしゃべりは止まらない。しかもカメラに向かって映画の観客に語りかけるサービス精神(?)も満点。誰もが惚れるスーパー無責任男がついに日本上陸!

 

 以下、ネタバレ感想をダラダラと。

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