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せっかくなんで観た映画を徒然なるままに

【映画】フライト・ゲーム/Non-Stop(2014)【感想】

わりと色々な映画に出演していらっしゃるのでついつい「またリーアム・ニーソンか」と言ってしまいますが、好きですリーアム・ニーソン。むしろリーアム・ニーソンだから観てみた映画です。もちろんストーリー面白そうだからという理由も含めて。

NY発ロンドン行旅客機の警備のため、客を装って乗り込む航空保安官のビル。真夜中、彼の携帯に指定の口座に送金しなければ、20分ごとに機内の誰かを殺すというメールが届く。悪戯か本気か半信半疑でいるうちに、1人目の犠牲者が出てしまう。ビルは乗客を拘束して荷物や携帯を調べるが、何ひとつ手掛かりは見つからない。乗客名簿を調べた保安局は、「全員問題ない。お前以外は」とビルを疑う。彼には暗い過去があり、今もある問題を抱えていた。さらに犯人の指定口座がビルの名義だと判明する。2人目、3人目と犯行は繰り返され、機内の疑惑と緊張感が頂点に達するなか、次のタイムリミットが迫る──!(C)2014 TF1 FILMS PRODUCTION S.A.S. STUDIOCANAL S.A.

 

飛行機内――密室ということで、さてどう展開するのか、グダグダになったりしないかしらと不安もありましたが、良いアクションスリラーでした。

ただ前半のハラハラ感に対し、最終的にはうまく(無難に?)軟着陸したような(飛行機の話ではなく)展開のストーリーなためおすすめ度は個人的には低めという…。

感想も…じつはこれといってピンとこなかったもので、なんと表現したら良いものか…。面白いのです!面白いのです…が…。

 

ジャウマ・コレット=セラ監督といえば「エスター」(エスターはすごく面白かった!それで過度に期待してしまったかもしれません)ですがこの作品も前半の陰鬱な感じと犯人探しの緊張感/疑心暗鬼が最高です。登場するキャラクターがどの人物も胡散臭い感じが良いのでしょうか。

主人公ビル・マークスは悲壮感漂う娘ラブな航空保安官。アルコール依存症

窓側の席に執着する女性――ジェン。ビルの隣の席の人に頼み込んで強引に席を変わってもらうほどの行動力がある。ざっくばらんな性格だけれど隠し事アリ。

初飛行機初体験で怖がる女の子/お父さんに会いに一人旅――ベッカ。

ベッカの知り合いで面倒を見るチーフCA/ビルと知り合い――ナンシー。

荷物検査の時携帯電話で大声で話していたため心象の悪いプログラマー――ザック。

正義感溢れる横柄そうなNY市警――オースティン。

空港で気さくに話しかけてくる教師――トム。

「お客様の中にどなたかお医者様は!?」――ファフィム。

ビルとは対照的にエコノミーに乗る胡散臭い同僚――ハモンド

などなど…。

結構登場人物多いです。

私は視聴しながら犯人を予想していましたが、結果は遠からず…分かる人にはすぐ分かるとも思います。

 

全然関係ないですが飛行機内でいちゃついて座席の背もたれ蹴る輩には個人的に殺意が湧きますね。イチャついてもいいからせめて背もたれ蹴るなと。何のためのビジネスクラスだと。

 

あと作中でビルの使っているqwertyキースマートフォンが欲しいです…。恐らくLG VX9600ではないかとのこと。qwertyキーがついているスマートフォンはもうほとんど市場からは無くなってしまっているので。キー付きのスマートフォンはもうノキアかLGくらいしかないですよね…。

 

 物語はビルへの犯行予告メッセージから。仮にも航空保安官という高いセキュリエティシステムを導入しているであろうビルのスマートフォンに侵入しメッセージを送りつけてきます。最初は同僚の悪戯かとあしらうビル。

しかし最初の殺人が犯人ではなく主人公が犯すという超展開に衝撃が走ります。これは予想していませんでした!致し方無いとはいえ何故殺したし…。相手もなぜビルに向かっていったし…。

 

作中で主人公と犯人のメッセージのやりとりがテロップで表現されるのは見やすいし共感できるので好きです。憶測/推理も共感しやすいですし、「シャーロック」シリーズと似てますね。テロップで作風にエッセンスを加える映画といえば「ゾンビランド」もオススメです。

 

そしてついに犯行予告通りの殺人――原因不明の死が立て続けに起こり疑心暗鬼も加速する様はハラハラします。

しかもビルに目立った欠点(アルコール依存症だとか暴力的だとか…もう既に一人殺している事実とか)があるために客観的にみてどうみてもビルが怪しいです。本当にありがとうございました。

 

乗客が無茶する(ビルを襲撃する)シーンは本当に無茶だと思って笑ってしまった。

 

そして乗客が偶然撮影していた映像から見出された犯人――愛国心が歪んでしまったトム。ビルの感じた最初の違和感はあたってた…。ただ不審者が多すぎて埋もれていた。

 わざわざビルに犯行声明送ってくるということはビルのこと執着していて調べあげているはず。それなら近くで犯行計画/進行具合を監視していたいだろうし、計画が想定外の方向に向かった場合修正したくなる筈。

乗客がビルを襲撃するのは犯行計画にとっては支障をきたす出来事だったから手助けしたのですね。 

 

そして終盤は窮地かつ狭い機内でのまさかの乱闘や発砲、爆発が起こり、急降下したとはいえよく機体がバラバラにならなかったと思う展開でした。 その辺の映像は迫力があり素晴らしいです。

 

この作品、ビルもですが副操縦士が一番頑張った…!

 

飛行機不時着後の最後の誘導は、本当にテロがあったのかと思うほどわりと落ち着いていてツッコミ入れずにはいられませんでした。どホントだったらもっと騒いだりパニックに陥るものではと思ったり。 

そして終わってみると、あんなにビルのことこき下ろしていたメディアの誤解がすぐ解けたのも…解せぬ!w

ずっと声だけだった上司は最後の最後に出演。

NY市警無事だったwどの映画でもNY市警は強いですねw

 

オチがあっさりしていてエスターのような壮絶さがない感じが、疾走感を減退させてしまったのでしょうか。原題がノン・ストップなのに。どうせならばどこかこう…激突するくらいの衝撃があってもいいではありませんか。

でも犠牲者が最小限に抑えられたというたいへん優しい世界なので、映画を見終わった後に猜疑心に悩まされることもないでしょう。

 

個人的には面白いのになんか勿体無い映画です。