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せっかくなんで観た映画を徒然なるままに

【映画】ルーシー/LUCY(2014)【感想】

リュック・ベンソン監督!スカーレット・ヨハンソン主演!これだけ揃っていればヒット作なこと間違いなs――。

しかしなんだか評判が良くない模様…。何故?あらすじ読んだ限りでは個人的にはすごく興味そそられるのに?と不安と興味を抱きながら視聴。

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10%しか機能していないと言われる人間の脳。しかしルーシーの脳のリミッターは外されてしまった――。

  

 

…うん。

 面白く無いということはない。でも緊張感には欠けるという…。アクションに(派手だけどそこまで)力が入っているわけではなくSFに注力している点では本当にSFに拘った作品でしょうか。ストーリーというか雰囲気的には「トランセンデンス」にも似てます。

 

冒頭で不幸にも事件に巻き込まれるルーシーの状況を、獲物が捕食されるシーンと掛けあわせて表現していることが人間の”野蛮(Savage)”さを表現していると思います。

 

作中に出てくる人工的に合成されたCPH4(脳を活性化させる薬物…らしい。胎児の骨の成長を促す物質だとか何とか。麻薬組織はこれを新しいドラッグとして売りさばきたい)を事故(というにはかなり不幸な状況)で多量摂取したことで脳が活性化。超人的な能力をもつに至ります。

 

しかし急激な進化を遂げ肉体操作などを繰り返したルーシーの細胞は自己完結化(不死化?)を目指し一時は崩壊しかけます。制御が効かない自身の細胞を脳の機能を上げること――さらにCPH4を摂取することで、なんとか食い止めます。この時の食べ方は脳が進化した人間と言うにはあまりに野性的(やはりSavage)です。

 

痛覚を制御のみならず他者の肉体を操るに至り、周囲の状況をこれまで以上に認識できることから干渉できるようになり、最終的には時間をも自在に干渉できるようになります。

 

うーん…それは…どうなんだろう?いくら脳の能力が上がっても時空間操作できないと思います。時空間って重力と関係する要素なので、脳機能向上で念動(サイコキネシス)使えるようになったとしても空中浮遊までじゃないかなぁ、と…時間操作はチートすぎです。

が、映画として最初の人間――後にルーシーと呼ばれる類人猿と出会うのは絵になりますね。この類人猿が突然目の前に現れたルーシーに恐怖や捕食ではなく「好奇心」をもって手を差し出す(指先で触れようとする)のが印象的です。進化の中の「好奇心」は非常に重要な要素だと思いますので。

 

あとハリウッド版「攻殻機動隊」にスカーレット・ヨハンソンがプッシュされているのが分かりました。というかルーシーが押井守版の素子(少佐)に限りなく似た存在になっています。

自己完結によって崩壊へ向かうルーシーはノーマン教授の助言――「生物は全自己情報を次世代に伝える」という言葉から人類の進化を促すため(あるいは何か完璧すぎて次にすることが見当つかないから?)彼女が知り得た情報を教授に託すことを選択。

そのために自身の体をその辺の機器やネットを介して次世代コンピューター化させネットに接続。

その間にCPH4を麻薬として使いたい組織とパリ警察がドンパチ。シュールすぎ。

ドンパチの間にルーシーは地球――生命の過去を観測。でも、なんでそんなことしてたのかよく分からなかった…。多分副作用的な。認識して干渉できるようになったので地球にアクセスした際見えたのかも。星新一の「午後の恐竜」みたいです。

全ての情報を現在のパソコンで読み込めるようUSB化して(ものすごい配慮)、役目を終えたルーシーの肉体は霧散するのですが、どうやら肉体は滅んでもコンピューターに接続した時にネット上に彼女自身(?)は流れたようです…。

 

まんま素子ですね!

 

進化というか電子の世界へ彼女の存在は生命体として新しい存在を生み出した…

 

って、フォローしようとしましたが、まんま素子ですね!

 

これはハリウッド版攻殻機動隊のデモンストレーションだったのではないでしょうか?

攻殻機動隊を既に視聴していたら単に人体か義体かぐらいの差の映画としか思えなくて…。

 

なんだか評価が低いのも分かります…。

こういうストーリー苦手な人多いと思います。私は好きですがそれだったら押井守版「攻殻機動隊」がもうやったという感想しか…。

うーん…何というか勿体無い…。

面白く無い訳じゃない、でも面白くない…見終わればそんな感じの映画です。