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せっかくなんで観た映画を徒然なるままに

【映画】The L∞P 終わらない夏休み/Mine Games (2012)【感想】

The L∞P 永遠の夏休み(原題:Mine Games)

邦題がネタバレという映画。原題のまま出したほうが面白かったのではないでしょうか?マイン・ゲーム〜閉ざされた坑道で〜、とか。

あと私はレンタル店でホラーカテゴリーで発見したのですがミステリー/サスペンスカテゴリーらしいです。

謎の廃坑で、彼らが出会ったのは、彼ら自身の死体だった・・・

★彼らが目にしたのは“彼ら自身の死体"だった…。未体験のショッキング・スリラー!
物語の主人公である若者たちが別荘の近くで目にしたものとは“彼ら自身の死体"。同じ空間に同時に存在するふたりの自分、しかも片方は死んでいるというショッキングな設定の未体験シチュエーション!

★悪夢が永遠にループするソリッド・シチュエーション・スリラー!
「若者」×「夏休み」×「森の別荘」。一見何の変哲もないありふれた設定と思いきや、まるで異次元にでも堕ちたかのような悪夢と混乱が永遠にループする! 異次元・シチュエーション・スリラー!

★近年活躍の目覚ましいハリウッド期待の若手俳優たちをキャスティング!
ハリウッドのメジャー作品の重要な役どころで近年活躍の目覚ましい若手俳優陣をキャステイング! 自らの死体と対峙しながらもその謎に挑む若者たちを熱演!

【ストーリー】
夏休み―クレア、TJ、マイケル、レックスら8人は森の奥にある友人の別荘を訪れた。
豪華な別荘に興奮し、青春を謳歌する彼らだが、TJとレックスが別荘近くの坑道で、あるものを見つけた時から事態は急変する。それは・・・・・彼ら自身の死体!
手の込んだイタズラだと思いたい気持ちは、そのあまりにもリアルな遺体の前に消し飛んでしまう。
更に、ローズの体調の悪化や坑道の入り口に書かれた謎のメッセージ“悪循環を断て"、そして坑道の壁に書きなぐられた“これは一回目だ"の文字が彼らを混乱させていく。
果たして彼らは、この悪夢から脱出できるのだろうか?

 

出典:

www.amazon.co.jp

登場人物が多いのでざっくりメモ。

ライラ…多分主人公

ローズ…霊感少女で怖がり

クレア…金髪

ガイ…リーダーの品格

マイケル…精神的に不安定

TJ…しっかり者かと思ったらお調子者

レックス…トラブルメーカー

マット…出て…こない?!名前だけ。別荘にいるはずの人。恋人のサラも出てこない。

 

 ループものではTriangle(2009)とかLooper(2014)が好きです。バック・トゥ・ザ フューチャーは殿堂なので言わずもがな。

 

全体的に暗い映画(ストーリーではなく色が)でよく見えない。わかりにくいけどホラーとして見ればいいかもしれない。この映画ミステリー/サスペンスだけど。…いや、やっぱりよく見えない。見づらい。

 

前半(というか7割ほど)は非常にテンポ悪くダラダラ進む感じですが、見終わってから改めて観ると「あー」と感心する要素がちりばめられています。…まあループものだから当然か。私は二周目が楽しく見れました。不審な音や出来事があったらだいたい警告。しかし気づかない!気づきようがない。

見ている側もループしてると知らなければそれに徐々に気づきワクワクするかもしれませんが、先も言ったように邦題がネタバレ化してるためそれを楽しむことができません。

ストーリー前半から彼らは未来の彼ら自身から警告されてたりするのですが悪循環が断ち切れません。そもそもその警告が悪循環のきっかけになっていますから。

警告のために別荘に遺したメモ→別荘に滞在するきっかけに。

助けを求めて道路に→轢き殺しちゃうきっかけに。

マイケルを止めなきゃ→マイケルを暴走させる。

マイケルがマイケルを手助けするため死体を隠す→死体をまとめて発見、殺るか殺られるかの混乱の引き金に。

事態の混乱を避けるために隠蔽→事態悪化…これはこの映画やループものにかかわらずだいたいそうか。

あとトラブルのだいたいはレックスのせい。

 

何故彼らがループに巻き込まれることになったかも特に言及はされていませんが、ウロボロスの説明として引用されている”生き延びようとしている者の呪い”がこのループの主軸なのだと思います。

ローズは「坑道は私たちの世界のものじゃない」と言ってましたが、どうにもそれだけでは納得出来ないのですが…ガソリンスタンドあたりからループ世界なのではないかと。

 

よく分からなかった点。

・何故ローズには皆が死体に見えていたのか?

・何故ローズを殺したのか?(ローズのお茶に洗剤っぽいもの混ぜてた気がする)

・クレアは坑道で閉じ込められた後、クレアに出会ってからどうしたのか?(ローズの足首の傷をつけたのはクレア?)

・マイケルは何故薬を捨てたのか?その後どうしたのか?どうなったのか?

 

不明点ではローズ関係が多い…。ローズの足首の傷がほかの人には見えていなかった事、他の皆が死体に見えていた理由とかはさっぱりわからない。ローズは一番悪循環を断ち切る素養を持っていたと思うけど…私には止められないって早々に諦めちゃうし…なんで?

 

トライアングル(2009)ではループした分死体が溜まっていっていることがなかなか恐怖心を掻き立てると同時にループであることが納得できるのですが、このThe Loopではそういったことは全く無く、しいて言えば時空が歪んでいる感じに思います。リセットされている的な?最初橋にあった穴が未来無くなってたり…マイケルを閉じ込める部屋の鍵はすでにマイケルが持っているのですが、レックスが坑道で部屋を見つけたときには其処に在ったり。閉じたループならばどこかで還元できるポイントがあるはずなのですが…例えば鍵なら元にあった場所に戻すとか…チョークがそういう感じなように。しかしマイケルとクレア、死体に関してはそういうポイントが見当たらない。

オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014)だと「主人公が死んでしまうとリセットされる」と時空間が主人公を主軸としてループしてるのが分かるのですが、この作品ではそういう明確な起点が無いのです。

なのでループ系ストーリーが好きな方にももやっとする作品になってしまっています。

 

個人的には、完全に閉じたループではなく微妙に変化しているようなので彼らには悪循環(サイクル)を断ち切るワンチャンあると思います、どこかに。

完全に閉じたループというのはトライアングル。何をしても決して逸脱することができない。いわゆる賽の河原のような地獄になっている。ループ世界に還元できない終着点があるとそこに溜まり続ける。綺麗に回収してるのはバック・トゥ・ザ・フューチャー。ほころびが無い。オール・ユー・ニード・イズ・キルはリセットできる。

それに対しこの作品ではほんの少しですが変化があるようなのでエンディングがこれまでと違ったループ世界のオチを生み出したのではないかと。

オチネタバレ:最初に森で発見された身元不明遺体として書かれていたライラが生存(瀕死)。ガソスタに現れ、寝起きのライラがいる車のウィンドウを叩く。

個人的にはなんか不気味なオチになってたと思います。これでどうなっちゃうの!?って。こんなものを見たら別荘行くのやめることを決断してエスケープできちゃうかも…?むしろこれでループするなら君たちどんな思考回路してるの?でも先述のようにガソリンスタンドからループ始まってるなら…やっぱりムリか…?

 

まとめると、前半が苦行な分、後半の疾走感は爽快でもう一度見たくなるかも?その場合視聴者がループの虜。ストーリーは面白いけど放りっぱなし設定に誰も責任をとれない。邦題は謝れ。この邦題じゃなかったらもっと違った評価が出たと思う。